日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年1月6日ネット記事を話のネタにする秘訣とは?

例えば、あなたは来週の朝礼で3分間スピーチをするよう上司から指名されました。さて、あなたはどうしますか?



「どうしよう!何を話せばいいんだろう?」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。朝礼のスピーチに限らず日常会話でも「何を話すか」に苦労する人は多いようです。こうした時に悩まないために日頃から朝礼や日常の雑談で話せるネタを集めておくことが大切なのです。。

では、どのように話のネタを探したらよいのでしょうか?
一番話しやすいネタは「自分の日常の中でのちょっとした体験」です。自分が体験したことはストーリーが頭に入っているので言葉に詰まることは少ないし、その時の感情などを思い出すと自然に熱の入った話になりやすいのです。しかし、スピーチが決まってから自分の日常の経験を思い出しても、なかなか「これだ!」と思うものは思いつかないでしょう。となると、やはりインターネットで検索したものをネタにするのが一番手っ取り早そうです。

今回はそうしたネット記事をもとにした、話のネタのまとめ方をお伝えします。

少し前に「アナログレコードの生産量がこの10年で10倍になった」という記事がありました。「若い頃によく聞いていたアナログレコードがまた復活してきたのか、ふ~ん、何だか懐かしいなぁ」と思い、これをスピーチのテーマにできないかな、と少し心が動きます。では、あなたはこれをどのようにスピーチにまとめますか? 自分の思い出話だけではなく、何か気の利いたことを言わないとスピーチにはなりませんし、日常会話も盛り上がりません。

多くの人はこうした記事を見ても、レコードの生産量が10倍になったという事実だけ読んで終わっています。しかし、スピーチのネタにするならば、なぜ生産量が増えたのか、という理由を考える必要があります。記事にはその理由が次のように書かれていました。
・デジタルよりも柔らかな音質を好む人が増えている
・レコードのジャケットをインテリアとして活用している
・同じ曲をダウンロードできるコードをつけて販売している

さて、ここからが勝負です。「話すこと」は「考えること」です。これらの理由から一つ取り上げて、それを解釈して自分なりの意見を考えるのです。例えば、同じ曲がダウンロードができることに目をつけたとしましょう。レコードは柔らかい音質が特色ですが、反面再生に手間がかかり、何よりもその曲を家でしか聴けないことが欠点です。ダウンロードできるのであれば、デジタルベースの音源を持ち出して外で楽しむことができます。家に戻ればより素晴らしい音質のレコードで楽しめます。レコードの音質だけにこだわった販売だと思いつかない方法で売上を伸ばしているんだな、と考えます。そうすると、他の商品やサービスでも、その強みにこだわるだけでなく工夫によって弱点を補って販売数を伸ばすことができるのではないか、という結論が出てきます。
これなら、スピーチとして成立しそうですね。

ここまで考えたらスピーチの構成を考えます。
・レコードの生産量が10年で10倍になったという記事を見た
・古いものを懐かしむ人たちが買っているのかな、と思った
・ところが、その曲をダウンロードできるコードをつけて売っていることが任期の理由の一つだと知った
・レコードの音質という強みにこだわりながら、外に曲を持ち出せるというポータビリティも持たせた販売戦略は素晴らしい
・工夫をすれば弱点を克服しながら強みを伸ばせるのだと学んだ
・このような柔軟な発想を自分も身につけられるようにしたい

この話なら3分以内に収まりますし、聞いている人にも納得してもらえるでしょう。このように、話の材料をみつけたら、その材料を解釈して自分なりの意見を考えることがとても大切なのです。皆さんもネットに書かれている事実を読むだけでなく、それに対する自分の意見を考えて見てください。

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